Lenobo Yoga Book with Windows で Ruby on Rails チュートリアル
Ruby on Rails チュートリアルを実施する環境として、Lenovo の Yoga Book with Windows (2016年モデル) を使用している。
開発環境
Yoga Book の Windows 10 Home に Windows Subsystem for Linux (WSL) として Ubuntu 18.04 LTS を導入し、Rails 開発環境を構築した。
通常は、WSL で SSL サーバーを起動し、Tera Term v4.101 で作業を行っている。WSL 上で使用しているエディターは vi である。当初は X-Window を導入し、IDE として Visual Studio Code (VSCode) で実装を進めるようとしたが、実際に使ってみると画面が崩れ、パフォーマンスが非常に低いことから VSCode の使用は断念し、軽量な vi での実装に切り替えた。Ruby on Rails チュートリアルでのコーディング量なら vi でも十分賄える。 作業ログとメモは、Markdown 形式のテキストファイルで記述している。エディターはテキストエディターの EmEditor Professional v18.5.0 と Markdown エディターの Typora v0.9.62 を使用している。Typora は分かり易くて使い勝手も良いが、重い。そのため通常は EmEditor で記述して、レイアウトの確認で Typora を使用している。
Yoga Book の良い面
Yoga Book での作業をしてみて良い面を下記に挙げる。
- 軽くて薄いため可搬性が非常に高い。気軽に持ち出せる。
- キーボードが無音(バイブレーションと音はOFFにしている)であるため、周りへの気遣いは不要であり、集中できる。
- 価格は約6万円程度(購入当時は64GBのモデルで約5万円だった)で、手を出しやすい。
- クラムシェル型であることで、テーブルの専有面積がタブレット+カバー型の2in1モデルより小さく、膝上でも安定して使える。
- キーボードの掃除が拭くだけになり、楽である。
- スピーカーの音が、サイズを考えるといい方である。
- 自分の使い方ではペン入力、タッチ画面は使用していないので、性能と使い勝手はどうでもよい。
Yoga Book の悪い面
Yoga Book での作業をしてみて悪い面を下記に挙げる。
- パフォーマンスが非常に低い。Yoga Book 自体のスペック(Atom/eMMC)が低いことと、WSL のファイルシステムが遅いことで、
rails
コマンドの実行が遅い。例えばrails test
の実行に20秒かかる。また、年に2回の大規模 Windows Update 適用には4~5時間を要する。 - キーボードが打ちづらく、通常のメカニカルキーボードに比べて入力速度はかなり落ちる。ある程度慣れたが、ブラインドタッチはできない。キーボードを見ながら人差し指を中心にした入力をしている。
- Home/End/Insert キーが無いため、テキストエディターでの編集効率が悪い。
- タッチパッドが狭くて使いづらい。
- 電源兼用の micro-USB ポートが1つのみで、拡張性が低い。しないけど。
- バッテリーの膨張問題が有るらしく、バッテリーの寿命が製品寿命となる。
- micro SD カードは相性があるようだ。ある日突然、スリープからの復帰で認識できなくなった。
総評
Yoga Book での Ruby on Rails チュートリアルの実装は、コマンド実行に待たされるためあまり効率的ではない。一方、喫茶店で実装を行う時など、気軽に持ち出せ、キーボードの音がしないのが気に入っている。パフォーマンスとキーボード入力に対して妥協できれば、Ruby on Rails チュートリアル用なら十分使用できると思う。ただし、キワモノなので、使う人を選ぶ。
Yoga Book を使ったら Happy になれる人
- 10インチサイズのサブノートPCとして割り切った使い方ができる人
- Halo キーボードの未来感に触れたい人
上記以外の人は、手を出してはいけない。
補足1
2018年後半に Yoga Book c930 が出たが、CPU が強力になったこと、ストレージ eMMC から SSD になった点、容量が 128~256GB に増えた点、USB type-C x2 が付くのは魅力的だ。しかし、RAM 容量が 4GB 固定なのと価格が3倍近くになったことで購入意欲が削がれた。安い方のモデルでは、Microsoft Office 無しで RAM 4GB/128GB SSD で 780g、13万円となる。少し足せば ThinkPad X1 Carbon が買える値段である。ほぼ同じサイズの Surface Go (RAM 8GB/128GB SSDモデル) は、(いらないけど) Microsoft Office 付き。タイプカバーを追加して 760g、約10万円である。
先日、量販店で Yoga Book c930 が実機展示されていたので、キーボード入力を試してみた。旧モデルよりもタッチパッドの触り心地や反応は良くなっていた。それから、タイトルバーのダブルクリック&ドラッグで、ウィンドウの移動ができるようになっていた。打ちにくさは相変わらずだが、モダンキーボードモードにするとキーを若干大きくできるので、多少は改善される。このモードではタッチパッドをキー1列分大きくできるが、どうせなら、全面タッチパッドにした方がいいんじゃないか?
10万円を切っていれば買っていたかもしれない。
補足2
一般ユーザー向けの Surface Go LTE Advanced が発売開始された。8GB メモリーと SSD 128GB、Office 付きで9万8千円。やはり、Office 込みとなっている。タイプカバーとペンを着けたら、Yoga Book c930 とほぼ同じ価格帯だ。