ThinkPad X1 Carbon のポートについて
備忘録として、ThhinkPad X1 Carbon Gen 6 (2018) の本体側面のポート (保守マニュアルから抜粋) について、まとめてみた。
USB-C コネクター (Thunderbolt 3 対応) / 電源コネクター
Thunderbolt 3 対応ということは、USB Type-C の Alternate Mode を使って伝送し、Display Port の信号を流すことができる。Intel の iGPU の仕様により、おそらく Display Port のバージョンは 1.2 であるらしい。Thunderbolt 3 アクティブケーブル使用時は(理論上の)最大転送速度は 40Gbps となる。Thunderbolt 3 パッシブケーブルでは 20Gbps となる。いずれもケーブル長は 1〜2mというのが限界らしい。
Thunderbolt 3 に対応しているため、USB 3.1 Gen 2 としても使用できると考えられ、最大転送速度は 10Gbps となるだろう。
この USB Type-C コネクターは2つあるが、どちらも電源コネクターとして動作するため、AC アダプターからはどちらに刺しても充電ができる。ケーブルは USB Power Delivery に対応したものを使用する必要がある。
純正の AC アダプターは 45W (20V 2.25A) と 65W (20V 3.25A) の2種類あり、両方とも USB-PD による電源となっている。当然、65W の AC アダプターでは1時間30分で90%までの充電するという。45W でもそれほど遅いわけでは無い。ちなみにバッテリー容量は 57Wh である。
携帯用には、ひとまわり小さく軽めの AC アダプターとして AUKEY USB充電器 PA-Y10 を使用している。USB Type-C Power Delivery ポート (Max 20V 2.3A) と USB Type-A ポート (Max 5V 2.1A) を同時に使用できる (合計 56.5W、ここ大事) ため、ThinkPad X1 Carbon とスマートフォンかタブレットを同時に充電できるのが便利。充電用のケーブルは、StarTech.com L型 USB-Cケーブル (USB2CC1MR) を使用している。USB 2.0 なのでデータ用には使用しないが、充電時には ThinkPad X1 Carbon の横からケーブルが飛び出さないので散らかった感じがしなくて気に入っている。
注意:AUKEY USB充電器 PA-Y10 は、電圧の調整が上手くいかない動作をしているという記事がある。様子を見ながら使っているが、今のところは変な動作はしていないさそうだが、万人にお勧めはできない。
イーサネット拡張コネクター2
オプションのRJ45拡張コネクターを接続するポート。NIC 自体はチップセット上の物を使っている様子。そのため、MAC アドレスが ThinkPad と結びつくのがメリットだろうか。USB ドングルだと、機器ごとに MAC アドレスが変わるため、管理面では敬遠されるかもしれない。
私にとっては、RJ45拡張コネクターは汎用的では無いためオプションから外した。有線LAN接続が必要な場合は、既に持っている USB 3.0 (Type-A) の USB Gbps イーサーネットドングルを使って使用している。というか、今のところ巨大なファイルの転送はしていないので、無線 LAN の IEEE 802.11ac で間に合っている。
HDMI コネクター
外付けディスプレイ接続用の HDMI コネクター。バージョン 1.4 のため、4K ディスプレイ表示ではリフレッシュレートが 30Hz になり、動画やゲームには向かない。Thunderbolt 3 ポートからの Display Port 経由なら 4K 60Hz の表示が可能らしい。
今のところ、4K ディスプレイは持っていないので、特に問題なし。4K ディスプレイ購入時は、USB Typ-C コネクター付きのモデルを選択した方が良さそうだ。
USB 3.1 コネクター Gen 1
Lenovo の直販サイトの製品仕様では、「USB3.0」となっている。規格としては同じ規格である。最大転送速度は 5Gbps である。したがって、ThinkPad X1 Carbon の Type-A コネクターは、転送速度 5Gbps と覚えておけばよいだろう。
Always On USB 3.1 コネクター Gen 1
Lenovo の直販サイトの製品仕様では、「USB3.0 (Powered USB)」 という表記がある。AC アダプターを接続している状態なら、設定によって電源OFF時やスリープ中でもUSBポートから充電することができるポート。
ThinkPad X1 Carbon を充電中に、電源OFFでもスリープしていても、このポートを使ってスマートフォンやタブレットが充電できる。旅行時や出張の際にスマートフォンとタブレットを持って行く場合、このポートと AUKEY PA-Y10 を使えば、全部充電できるということになり、AC アダプターは1個で済む。
ミニ・セキュリティー・ロック・スロット
ケンジントンロック用のスロット。手持ちのケンジントンロックでも使用できた。
補足:USB 規格について
2013年8月に最大転送速度が 10Gbps の規格が策定され、USB3.1 Gen 2 となった。その際、従来の 5Gbps の USB3.0 は、USB3.1 Gen 1 と呼ぶように変わった。USB3.2 Gen 2x2 とか USB 4 とかも策定されており、従来の USB 3.0 関連の規格の名称も変わるらしい。USB 4 が一般的になるまでは古い名称も残るため混乱するだろう。
さらにややこしくしているのが、USB Type-C コネクターである。最初は USB3.1 用の規格だったのが、最近では USB 2.0 のものもあり、Thunderbolt 3 も同じだったりで、さらに Power Delivery のものもあったりで、分かりにくい。
整理のために、表にまとめてみた。
最大転送速度 | 最大供給電力 | 規格名 | コネクター |
---|---|---|---|
12Mbps | 5V ?mA | USB 1.0、USB 1.1 | Type-A、Type-B、(Type-C) |
480Mbps | 5V 500mA | USB 2.0 | Type-A、Type-B、Mini-B、micro-B、Type-C |
5Gbps | 5V 900mA | USB 3.0 → USB3.1 Gen 1 → USB 3.2 Gen 1 | Type-A (0-pin)、Type-B (9-pin)、micro-B SuperSpeed (9-pin)、Type-C |
10Gbps | 5V 1000mA | USB3.1 Gen 2 → USB 3.2 Gen2 | micro-B SuperSpeed (9-pin)、Type-C |
20Gbps | (USB PD ?) | USB 3.2 Gen 2x2 | Type-C |
40Gbps | (USB PD ?) | USB4 | Type-C ? |
参考リンク
- ThinkPad X1 Carbon (2018モデル) - レノボジャパン - 製品サイト
- レノボ ThinkPad X1 Carbon (2018)のメリット・デメリット - the比較 - レビューサイト
- 分かりづらいThunderbolt 3とUSB Type-Cの違いを詳しく解説 - Thunderbolt 3 の規格について
- USB超入門(1)新しいUSB規格「USB3.1」[RATOC] - USB3.1 Gen 1 に規格について
- USB4が発表。ややこしい規格が統一されてほしい | ギズモード・ジャパン - USB 4 規格について
- ためになるケーブルとコネクタの話 USB編 - Qiita - USB コネクターについて
- AUKEY USB充電器 PA-Y10 - AC アダプター (Amazon)
- 【特集】これで失敗しない、USB PD充電器選び(ノートPC編) ~ThinkPadとMacBook Proで検証 - PC Watch - AUKEY PA-Y12、PA-Y10 で変な動作しているっぽい
- StarTech.com L型USB-Cケーブル 1m (L型) USB 2.0準拠 USB2CC1MR - 充電用のケーブル
- ThinkPad X1 Carbon (2018)をポチった。あわせて買ったSSDや充電機器など - HDMI のバージョン
更新履歴
- 2020/04/19 タイトルの先頭の "#" を削除
- 2019/03/21 初出