dhtakeuti’s thoughts

主に開発やPCについて考えたこと、感じたことの記録

Lenovo ThinkVision M14 について

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ThinkVision M14 を購入した

Lenovo 特有の週末割引はなく、消費税送料込みの ¥38,880 で購入した。納期はオーダーしてから約2週間だった。

箱には本体、使用ガイド、USB Type-C ケーブル、スリーブケース、コの字型の本体固定用のパーツ?が入っていた。

マニュアルや取扱説明書の電子版について Lenovo のサポートに問い合わせてみたところ、新製品のためまだ公開されていないとのこと。紙製の使用ガイドが同梱されているため、何もないわけではない。製品仕様は個人向けの購入ページ [Link] の概要に記載されているが、Business with Lenovo のサイトに見慣れた形式で掲載 [Link] されている。主な製品仕様については記事の最後に抜粋を載せる。

接続検証

ThinkPad X1 Carbon (2018 モデル) 第6世代 の Windows 10 に接続してみる。最初は、ThinkPad X1 Carbon の奥の USB Type-C ポートに AC アダプターを接続、手前の USB Type-C ポートにディスプレイ用の USB Type-C ケーブルを接続した状態で ThinkVision M14 の電源を ON にすると、ミラーリングの状態で ThinkVision M14 にも表示された。

次に、ThinkVision M14 の電源を OFF にしてケーブルを入れ替え、ThinkPad X1 Carbon の奥の USB Type-C ポートに ThinkVision M14 を接続した。AC アダプターの USB Type-C ケーブルは、ThinkVision M14 に接続した。この状態では、ThinkPad X1 Carbon は充電状態となっていない。

ThinkVision M14 の電源を ON にしてみる。2回ほど画面の暗転、表示を繰り返した後、ミラーリングでの表示の状態となった。また、AC アダプターからの電源が供給されて、ThinkPad X1 Carbon が充電中の状態になった。USB PD パススルーの機能は ThinkVision M14 の電源が ON にならないと有効とならない点は注意が必要となる

USB PD パススルーの状態で AC アダプターに接続していた USB Type-C ケーブルを抜くと、画面が一旦暗くなり、再認識されてから再度表示される。

通常は拡張ディスプレイとして使用したいため、Windows 10 の設定でミラーリングの状態から拡張ディスプレイに変更した。また、最初は ThinkVision M14 のディスプレイ設定の「拡大縮小とレイアウト」で 150% の設定になっていたため、ThinkVision M14 側では同じウィンドウが大きく表示される。ここは使いやすい拡大率に設定し直す必要がある。とりあえず 125% に設定している。100% の設定では ThinkPad X1 Carbon のディスプレイよりも解像度が低い分、ジャギーが目立つ。

画面の向きも縦横指定できる。実際に ThinkVision M14 の表示を縦の設定にしたところ、縦向きに表示された。ドキュメントを読む場合は縦向きの方が使いやすいが、別途スタンドが必要になるので実用的ではないだろう。

ThinkPad X1 Carbon とThinkVision M14 を組み合わせて使用する場合、ThinkVision M14 を右側に置くことが想定されていると思われる。ThinkPad X1 Carbon の USB Type-C ポートは左側にあり、ThinkVision M14 を右側に置いて左側の USB Type-C ポートと付属の USB Type-C ケーブル (1m) で接続する場合はケーブルの長さは余るくらいである。ThinkVision M14 を右側に配置したまま、ThinkVision M14 の右側の USB-C ポートに繋げようとすると、ケーブル長が足りない。また、ThinkPad X1 Carbon の左側に ThinkVision M14 を配置しようとすると、ThinkPad X1 Carbon と ThinkVision M14 の間隔を空けないとケーブルが邪魔になって置くことができない。

ThinkVision M14 の映像入力はDisplayPort規格で行うため、USB Type-C ケーブルは USB 3.1 Gen1 以上に対応している必要があるが、USB 3.1 Gen1 以上に対応したケーブルは太くて硬いため、取り回しの自由度が低い。L字型のケーブルがあればケーブルの取り回しの自由度が上がるのだが、いまのところサードパーティ製としても出ていない様子。

ThinkPad X1 Carbon には接続せずに電源に繋いだだけの状態で、電源ボタンを押すと BIOS の初期画面のようなものが表示されるが、しばらくすると電源 OFF の状態になる。この状態では ThinkVision M14 のメニューボタンには反応しない。

ThinkPad X1 Carbon に繋いだ状態でメニューボタンを2秒間押すと画面の色調が変わり、ブルーライト低減モードになる様だ。もう一度メニューボタンを2秒間押すとブルーライト低減モードが解除され、画面の色調は元に戻る。また、メニューボタンの奥にある輝度調整ボタンで輝度の調整ができる。メニューボタンと輝度調整ボタンは非常に押しにくい。そう頻繁に使用するものではないし、容易に変更できることを防止する意図もあるのだろう。

USB ハブ機能があるかどうかも気になったが、USB Type-C デバイスが手元のになかったので検証していない。ただ、ThinkVision M14 には USB Type-C ポートが2個で、1個は PC との接続用、もう1個は AC アダプターで USB PD パススルーさせる構成では、空きの USB Type-C ポートは無くなるので、USB ハブ機能はなくてもいいかもしれない。必要なら ThinkPad 側の USB Type-A ポートの方が現在は使用機会が多いだろう。

ケースについて

ThinkVision M14 を受け取り、開梱して最初に出てきたのがスリーブケースだった。ずいぶん前に米国のレビュー記事ではプラスティック製のカバーが付属していた様に記憶していたので、ちょっとびっくりした。内部は傷がつかない様な生地が使用されているが、大きすぎてカバンの中でケースから飛び出しそうで不安に感じたため、別途専用のケースを見繕って購入した。

購入したのは「サンワサプライ MacBook用プロテクトスーツ(13.3インチワイド) IN-MACS13BK」[Amazon] ¥1,229 である。Amazon の製品レビューに「ThinkPad X1 Carbon (2018)にピッタリです」 [Amazon] という記事があったため、それが決め手となった。実際にケースを手に入れて ThinkVision M14 を入れてみると、若干小さい。微妙なところだ。

心配なので、ThinkVision M14 をこのケースに入れた状態で、更に ThinkPad X1 Carbon と一緒にノート PC 用のケースに収めて使っている。ちなみにノート PC 用ケースは、「ELECOM 取手付インナーバッグ BM-IB016BK」[Amazon] を使用している。このケースに ThinkPad X1 Carbon とケースに入れた ThinkVision M14 が収まり、外側にポケットに USB Type-C ケーブル2本と AC アダプターを入れている。

外出時の AC アダプターは RAVPower の「RP-PC104」を使用している。この AC アダプターは、縦横はほぼクレジットカードサイズで、厚さが 15mm と薄くなっているため、ノート PC 用のケースに入れても突起部分が少なくなり、カバンの中での収まりがいい。以前は Anker の「PowerPort Atom PD 1」を使用していた。最大出力が 30W で少ないのと、ノート PC 用のケースに入れるとどうやっても突起が出るため、カバンの中での収まりが悪かったため、薄い RAVPower の「RP-PC104」に買い替えた。

今回は ThinkPad X1 Carbon と本体用ケース、ThinkVision M14 とスリーブケース、AC アダプターと USB Type-C ケーブルを接続用、充電用の合わせて2本をまとめ、Patagonia Light-Weight Travel Tote に入れて背負って歩き回ったが、2kg 近くの重量は ThinkPad X1 Carbon 単体で持つよりも重い。所有しているわけではないが、Apple MacBook Pro 15インチと AC アダプターを持つのと変わらないだろう。しかし、ケーブルを含めてプラス 700g で 14インチのマルチディスプレイ環境を移動して使えるメリットは大きい。喫茶店などの狭いテーブルや新幹線などではマルチディスプレイ環境は使えないが、宿泊先のホテルなどで2画面で作業できる様になるのは魅力的だ。

ThinkVision M14 本体と設定画面など

以下に ThinkVision M14 の実際の製品の写真や、接続時の設定画面を載せる。

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製品写真の右配置の写真。実際に接続してみると、ThinkPad の左側に張り出したケーブルが目障り。

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製品写真の左配置の写真。これはチルトスタンドを立てた状態になっている。この写真では違和感なく見えるが、実際には ThinkPad 左側の USB Type-C ケーブルが邪魔になって、ThinkVision M14 との間隔は意外と大きくなる。この写真では、どの様に USB Type-C ケーブルを繋げているのかがよくわからない。かなり短いケーブルを使用している?

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茶店で接続して並べて表示した様子。赤枠で示しているのがケーブルの出っ張るので、テーブル幅は90cm位が目安だろう。

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本体右側面。(A)電源スイッチ、(B)ケンジントンロック用穴、(C)USB Type-C コネクター

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本体左側面。(D)USB Type-C コネクター、(E)輝度調整スイッチ、(F)メニューボタン。

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本体下部のチルトスタンド。畳んだ状態。

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本体下部のチルトスタンド 。立てた状態。

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チルトスタンドを畳んだ状態の画面の様子。画面は机まであり、赤枠内で手前に置いた AC アダプターに画面下が隠れている。

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チルトスタンドを立てた状態の画面の様子。画面株が赤枠内で手前に置いた AC アダプターとほぼ同じ高さ担っている。仕様では 11mm、AC アダプターの厚さは15mm。

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付属のスリーブケース。表面は化繊のフェルトの様な生地。黒を基調に赤の差し色が Think ブランド。

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付属のスリーブケースを拡大したところ。

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付属のスリーブケースの内部。この写真では分かりづらいが、生地は起毛しており、画面を保護してくれる。

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付属のスリーブケースと本体を重ねた様子。かなり大きめに作られている。通常はリュックに入れて使用するため、横から飛び出さないか不安。

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購入したスリーブケース。MacBook 13インチ用のものを流用。ファスナー無しで、この写真では左側にスリットがあり、そこから入れるだけ。生地はダイビングスーツに使用されているネオプレンと思われるが、買ったばかりのため、石油臭がまだ強く残っている。

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購入したスリーブケースに ThinkVision M14 を重ねた様子。この段階で若干はみ出ている。

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購入したスリーブケースの中に ThinkVision M14 を入れた状態。左側が少しはみ出ている。

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購入したスリーブケース。少しはみ出した部分の拡大。ThinkVision M14 の画面を、ケースの広い方の生地側に合わせて入れておけば画面は保護できるので、このまま使用し続ける。リュック内では立てた状態になるので、特に問題はなかろう。

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Windows 10 設定画面。初めて ThinkPad X1 Carbon に ThinkVision M14 を接続した時はミラーリングの状態になっている。

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Windows 10 設定画面。ここでは ThinkPad X1 Carbon 側のディスプレイ設定が表示されており、マルチ ディスプレイで「表示画面を複製する」となっているため、ミラーリングの状態。

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Windows 10 設定画面。マルチ ディスプレイで「表示画面を拡張する」に設定を変更すると、ThinkVision M14 を拡張ディスプレイとして使用できる様になる。HDMI 接続でマルチ ディスプレイを使用する場合と特に変わりはない。

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Windows 10 設定画面をスクロールアップして、ディスプレイの「2」を選択して設定画面を切り替える。

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Windows 10 設定画面で ThinkVision M14 の設定に切り替えたところ。ディスプレイの「2」が選択状態になっている。

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Windows 10 設定画面。ThinkVision M14 のディスプレイの拡大率は推奨値の 150% に設定されているが、大きすぎるのので変更することにする。

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Windows 10 設定画面。ThinkVision M14 のディスプレイの拡大率には 125% を設定した。100% だと文字のジャギーが目立つ。

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Windows 10 設定画面。画面の向きが設定可能で、縦表示も選択できるし、実際縦表示もできた。

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メニューボタンを2秒間押すと、ブルーライト低減モードになる。ただし、このボタンは押しにくい。

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メニューボタンを再度2秒間押すと、ブルライト低減モードが解除される。

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輝度調整ボタンのどちらかを2秒間押すと画面に輝度調整のレベルが表示され、ボタンを押すことで調整ができる。デフォルトでは 80% となっている。このボタンも押しにくい。

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こちらは Mac mini に接続した時の、ThinkVision M14 側の設定画面。Windows 10 と同様に拡大率を変更することができる。縦向き表示は回転で設定できそうだが試していない。

主な製品仕様

ThinkVision M14 製品仕様

項目 仕様
製品型番 61DDUAR6JP
USBポート USB 3.1 Gen1 Type-C x2 (外部電源供給/DisplayPort信号入力機能対応)
本体寸法 W 323.4 x D 96.5 x H 209-220 mm ?
補足:(実測値) 畳んだ時の厚さ 14mm、幅324mm、高さ 208mm
質量 570g
ディスプレイ・サイズ 14.0型ワイド
解像度 1920x1080ドット
液晶パネル方式 IPS
表示色 1,677万色以上
走査周波数 30-30KHz(水平) / 50-50Hz (垂直)
輝度 345cd/㎡
コントラスト比 700:1
視野角 [10:1]178°/178°、[5:1]178°/178°
入力信号 USB Type-C (HDCP)
入力端子 USB Type-C x 2
プラグ アンド プレイ VESA DDC 2B/CI プロトコル
応答速度 6ms
使用環境 温度:0〜40℃、湿度:30〜80% (但し結露無き事)
最大消費電力 7.5W
標準消費電力 (アイドル時消費電力) 6W
低電力モード消費電力(省エネ法) 0.3W
電源オフ時消費電力 0.3W
高さ調整 11mm
電源アダプター出力ワット数 45W

参考: ThinkPad X1 Carbon (2018) 第6世代

項目 仕様
本体寸法 W 323.5 x D 217.1 x H 15.95mm
本体質量 1.13kg

ThinkVision M14 本体の幅は ThinkPad X1 Carbon (2018 モデル) と同じ。厚さは ThinkVision M14 の方が 2mm 薄い。「電源アダプター出力ワット数」は USB PD パススルーした場合のワット数と思われ、60W の AC アダプターを使用しても 45W の出力しか得られないのではないかと考えられるので、45W の AC アダプターを持ち歩けば良し、と解釈した。

まとめ

  • 出先でマルチディスプレイ環境を構築できるのはありがたい。
  • ThinkPad X1 Carbon と ThinkVision M14 は、ほぼ同じ大きさのため、合わせて持ち歩くにはちょうど良い。
  • ThinkVision M14 の電源を ON にしないと USB PD パススルーは有効にならない。
  • 横に並べて使用するには、90cm 程度の幅の机が必要。
  • 付属の USB Type-C ケーブルは太くて硬い。
  • 両端がL字型コネクターの USB Type-C ケーブルがあれば、ケーブル周りがスッキリ見える。
  • 欲を言えば、WQHD液晶 (2560 x 1440) の解像度が欲しい。

参照